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B工事とは? A工事・C工事との違いと費用相場を解説

オフィスのB工事とは何か。A工事・C工事との区分、費用が高くなる理由、減額交渉の余地まで、総務担当者向けに実務目線で整理する。

公開
2026-04-25
更新
2026-04-25
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15
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オフィスの退去が決まった瞬間、総務担当者の前に現れるのが「工事区分」という壁だ。なかでもB工事は、費用負担が借主側なのに業者を自由に選べないという厄介な性質を持つ。提示された見積もりを見て、思わず二度見した人も多いはずだ。

この記事では、B工事の定義からA工事・C工事との違い、費用が膨らみやすい構造的な理由、そして減額交渉でどこまで踏み込めるかまでを、実務目線で整理する。退去通知を出す前に押さえておきたい論点をひと通りカバーした。

B工事とは何か——3行で言うと

B工事とは、借主が費用を負担しながらも、ビルオーナーが指定する業者でなければ施工できない工事のことを指す。

空調・防災・電気の幹線・分電盤・スプリンクラーなど、ビル全体のインフラに関わる部分が典型例だ。借主側で勝手に触られると、他のテナントや建物全体に影響が出るため、「金は借主、施工はビル指定」という変則的な仕組みが生まれた。

つまりB工事の本質は、費用負担と業者選定権が分離していることにある。これがすべての面倒の出発点になっている。

「自分で払うのに、業者を選べない」——これがB工事の不思議。

A工事・B工事・C工事の違い

工事区分は3つに分かれる。違いは「発注者」「費用負担者」「施工業者の選定権」という3点で整理するとわかりやすい。

区分発注者費用負担施工業者対象工事の例
A工事ビルオーナービルオーナーオーナー指定外壁、共用部、エレベーター、屋上防水
B工事借主借主オーナー指定空調、防災設備、分電盤、間仕切り改修の一部
C工事借主借主借主が選定内装、什器、LAN配線、軽微な造作

A工事は完全にビル側の世界なので、借主は基本的にノータッチで構わない。

C工事は逆に借主の裁量が大きく、相見積もりも自由に取れる。ここはコスト管理しやすい領域だ。

問題は中央のB工事だ。費用は借主、業者はビル指定。この構造が、後述する「相場より高い見積もり」を生む土壌になっている。

工事区分そのものの基礎は原状回復とは何かをまとめた記事でも触れているので、合わせて目を通しておくと全体像が掴みやすい。

なぜB工事だけがこんなに揉めるのか

B工事の見積もりが高い、と感じる担当者は多い。実際、相場の1.5〜2倍の金額が提示されるケースも珍しくない。なぜそうなるのか、構造を分解してみる。

競争原理が働かない

ビル指定業者は1社、多くて2〜3社。借主側に選択肢がないため、価格競争が起きない。市場原理で言えば独占に近い状態だ。

普通のC工事なら3社相見積もりで価格は自然に締まる。B工事ではその仕組みが機能しない。

元請け・下請け・孫請けの中間マージン

ビル指定業者がそのまま施工するとは限らない。実際の作業は2次請け・3次請けの工事会社が担い、元請けには管理費や監督料が乗る。

階層が深くなるほど中間マージンは積み上がっていく。これは構造的な問題で、借主側からは見えにくい。

仕様の決定権もビル側

「どこまで原状に戻すか」の仕様自体も、ビル側の基準で決まることが多い。たとえば「天井材は新品交換」「空調は全数フィルター交換」といった指定が、本当に必要かどうか借主側で判断しにくい。

仕様が膨らめば金額も膨らむ。ここに精査の余地が眠っている。

担当者が比較対象を持たない

総務担当者にとって、原状回復は数年に一度しか発生しないイベントだ。「この見積もりは妥当なのか」を判断する経験値がない。提示された金額が、そのまま「正解」になってしまいやすい。

費用感の相場観は坪単価ベースで整理した記事で確認できる。提示金額と並べて眺めるだけでも、違和感の有無は見えてくる。

B工事の費用相場——目安はあるが鵜呑みにしない

B工事のみの相場を切り出すのは難しい。原状回復工事全体で坪あたり3〜10万円というレンジが語られることが多いが、内訳としてB工事が占める割合は物件・規模・築年数で大きくぶれる。

おおまかな傾向としては——

  • 小規模オフィス(30坪以下)ではB工事比率が低めで、内装中心のC工事が支配的
  • 中規模以上(50坪超)になると空調・防災のB工事比率が上がり、坪単価も押し上げられる
  • ハイグレードビル・新築寄りの物件ほどB工事の単価が高く出やすい

「坪10万円を超えたら警戒水域」とよく言われるが、これは絶対的な基準ではない。現場によって妥当な金額は変わる。あくまで違和感を持つきっかけ程度に捉えてほしい。

不安があれば一括見積もりで複数の見方を集めるのが現実的だ。同じ見積書でも、第三者の視点を入れると指摘の出方が変わる。

B工事の減額——どこまで踏み込めるか

「業者は選べないのだから、金額も受け入れるしかない」と諦める必要はない。完全な相見積もりは無理でも、減額の余地は確実に存在する。

1. 見積もり明細の精査

数量・単価・仕様の3点を一行ずつチェックする。「一式」表記が多い見積もりは要注意で、内訳の開示を要求するだけで金額が動くこともある。

2. 仕様のダウングレード交渉

「新品交換」を「補修対応」に、「全数交換」を「不具合箇所のみ」に変えられないか、ビル側と協議する。原状回復義務の範囲を超える要求になっていないかを見極める作業だ。

3. 第三者による査定の活用

原状回復の専門コンサルタントや、見積もり精査サービスを使う方法。費用感のセカンドオピニオンを取る感覚に近い。完全成果報酬型の業者もあるので、初期費用ゼロで動かせるケースもある。

4. 契約書・工事区分表の読み直し

「これは本当にB工事の範囲か?」を契約書で確認する。実はC工事の領域がB工事に紛れ込んでいた、というのは現場ではよくある話だ。

具体的な手法は減額交渉のテクニックをまとめた記事で詳しく扱っている。実践レベルの手順を確認したい人はそちらへ。

B工事の進め方——退去6ヶ月前から動く

時間は最大の交渉カードだ。ギリギリで動くと、足元を見られて何もできずに終わる。

退去6ヶ月前には契約書を引っ張り出し、工事区分表を確認する。解約予告期間は契約により3〜6ヶ月が一般的なので、ここがスタートライン。

5〜4ヶ月前にビル側へ原状回復の打診をかけ、指定業者からの見積もりを取る。同時並行で第三者の査定を入れる準備に入る。

3ヶ月前に見積もりが出揃ったら精査と交渉。仕様や数量の論点を整理して、ビル側と協議する。

2ヶ月前までに金額を確定。1ヶ月前から工事着手、というのが理想的なスケジュール感だ。

このタイムラインから逆算すると、退去通知を出す段階で工事区分の理解が済んでいるべき、ということになる。

トラブルになったときの相談先

B工事は契約解釈と金額妥当性が絡み合うため、揉めると面倒だ。役割分担を間違えると遠回りになる。

金額の妥当性——原状回復専門のコンサルタント、見積もり精査サービス、減額交渉支援を行う事業者が対応領域。完全成果報酬型を選べば、減額に成功した分だけ報酬を払う形になる。

契約解釈・法的論点——弁護士。「この修繕は本来貸主負担では?」「特約の有効性は?」といった法的判断が絡む案件は、最初から弁護士に相談したほうが筋がいい。原状回復に強い事務所を選ぶこと。

ビル側との関係調整——仲介に入った不動産会社が動いてくれる場合もある。ただし利害関係上、借主側に立ってくれるとは限らない点は割り引いて考える必要がある。

非弁行為の論点もあるため、コンサルティング会社が「交渉代行」を謳う場合は契約形態を確認しておきたい。法律事務でない範囲のサポートに限定されるのが通常だ。

まず動くべき1つのこと

B工事の論点は深いが、最初の一歩はシンプルだ。契約書の工事区分表を引っ張り出して、自社のB工事範囲を特定する。これに尽きる。

範囲がわかれば、ビル指定業者の見積もりを受け取った時に「この項目は本当にB工事なのか?」という最初のチェックが入れられるようになる。それだけで交渉のスタートラインが変わる。

見積もりを比較したい、第三者の意見が欲しい、という段階に入ったら原状回復ナビの一括見積もりを使って複数社の視点を集めるのが手早い。指定業者の見積もりが妥当かどうかは、横を見てはじめて判断できる。

退去のたびに数百万円〜数千万円の金額が動くのが原状回復だ。B工事の構造を理解しているかどうかで、最終的な支払額は確実に変わる。動き出すタイミングだけは、早すぎることはない。

よくあるご質問(FAQ)

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