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30坪オフィスの原状回復費用は実際いくら?相場と削減策

30坪オフィスの原状回復費用の相場と内訳、見積もりが膨らむ理由、減額交渉の進め方を、現場の実例ベースで解説。退去2〜3ヶ月前の動き方が分かる。

公開
2026-04-25
更新
2026-04-25
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13
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「30坪のオフィス、原状回復でいくら請求されるのか」——退去が決まった瞬間、総務担当者の頭に最初に浮かぶ疑問だ。結論から言えば、30坪なら90万〜450万円のレンジに収まることが多い。ただしこの幅、4〜5倍ある。なぜここまで開くのか、自社の物件はどのゾーンに入るのか、そして請求額をどう抑えるのか。実際の見積もり項目を分解しながら、現場で使える判断軸を整理する。

30坪の原状回復費用、相場のリアルな数字

まず数字の話から入る。

オフィスの原状回復費用は「坪単価×坪数」で語られることが多い。30坪に当てはめると、おおむね次のレンジになる。

  • 中小規模ビル(築古〜グレードC):坪3〜5万円 → 90万〜150万円
  • 中堅ビル(グレードB):坪5〜8万円 → 150万〜240万円
  • 大規模・ハイグレードビル(グレードA・S):坪7〜15万円 → 210万〜450万円

同じ30坪でも、入居しているビルの「格」で3倍以上変わる。これは内装グレードや使用建材、深夜作業の有無、養生範囲の広さといった要素が積み重なるためだ。坪単価の考え方は坪単価の相場で詳しく触れているので、自社の物件を相場に当てはめたい人はそちらも併せて見てほしい。

ただし、坪単価はあくまで「ざっくりした目安」にすぎない。実際の見積書は項目ごとに積み上げで作られるので、坪単価で出した概算と請求額がぴったり一致することはまずない。

見積書はこう積み上がる——内訳を分解する

30坪のオフィスを退去するとき、典型的な見積書には次のような項目が並ぶ。

仮設工事(5〜15万円) 養生、廃材搬出ルートの確保、共用部の保護。30坪規模だとそこまで大きな金額にはならないが、エレベーター養生が必須のビルだと意外と積み上がる。

解体・撤去工事(30〜100万円) パーティション、造作壁、什器、配線。前テナントの残置物まで撤去対象になっているケースがあるので、明細はよく見たほうがいい。

内装復旧工事(40〜150万円) 床(OAフロア・タイルカーペット)、壁(ビニールクロス)、天井(ロックウール化粧吸音板)の張替え。原状回復の中核で、ここが一番ボリュームを持つ。

設備工事(20〜80万円) 照明、空調、コンセント、LAN配線。テナント側で増設したものは原則撤去だが、「貸主に譲渡」で残せる場合もある。交渉余地のあるポイント。

諸経費・廃材処分(10〜40万円) 産廃処理費、現場管理費、運搬費。「諸経費15%」のような形で計上されることが多く、ここに利益が乗る。

ざっくり積み上げると、グレードBのビルで30坪なら150〜240万円。これが「相場ど真ん中」のイメージだ。

そもそも原状回復って何を戻す工事なんだっけ、という基本に立ち戻りたいときは原状回復とは何かを先に確認しておくと、見積書の項目が腹落ちしやすくなる。

なぜ見積もりが「高すぎる」と感じるのか

実は、初回提示の見積もりが相場の1.5〜2倍で出てくることは珍しくない。理由はいくつかある。

ひとつは、貸主指定業者の競争原理が働かない構造。テナント側に業者選択権がないことを前提に、価格が高めに設定される。これは悪意というより、業界の慣行に近い。

もうひとつは、「念のため」項目の積み上げ。 本来は不要な張替えまで含まれていたり、パーティションの撤去を「壁ごと作り直す」前提で組まれていたり。明細を精査すると、削れる項目が次々出てくる。

そして見落とされがちなのが、経年劣化分の負担転嫁。 国交省の原状回復ガイドラインでは、通常損耗・経年劣化は貸主負担が原則とされている。ところが実務では、これが借主側の見積もりに紛れ込んでいることが多い。「このクロスの黄ばみは経年では?」と一つひとつ確認していくと、それだけで数十万単位で削れることがある。

ただし、ガイドラインは住宅向けが中心で、オフィスについては契約書の特約が優先されるのが通例。最終的に「経年劣化を借主負担とする」と契約書に書かれていれば、その文言が効く可能性が高い。ここの判断は法的な論点を含むので、契約書の特約条項で揉めそうなら、不動産に強い弁護士への相談を検討してほしい。

30坪規模で減額交渉はどこまで効くのか

「30坪じゃ規模が小さくて、交渉なんて取り合ってもらえないのでは」——そう感じる担当者は多い。

実際は、30坪でも100坪でも、減額の理屈は変わらない。むしろ30坪規模のほうが、項目数が限られていて見積書の精査がしやすい。経験上、初回見積もりから15〜30%の減額は十分に狙える範囲だ。150万円の見積もりなら、25万〜45万円の削減。決して小さくない金額になる。

減額の打ち手は大きく3つ。

1. 第三者業者からの相見積もり これが最強の交渉材料になる。指定業者で施工する契約だったとしても、「第三者の見積もりではこの金額」という客観的な比較データがあれば、交渉のテーブルにつかせやすい。

2. 明細レベルでの項目精査 「なぜこの工事が必要なのか」「経年劣化分が含まれていないか」を一項目ずつ詰めていく。地味だが効く。

3. 工事範囲の交渉 たとえばパーティションを「次のテナントが使うかもしれないので残置」で合意できれば、撤去費がまるごと不要になる。貸主にとってもメリットがある提案なら通りやすい。

具体的な進め方は原状回復費用の減額交渉の手順にまとめてある。交渉の流れと必要な書類が分かるので、実務で動き始める前に一度目を通しておくといい。

「30坪オフィスの見積もりが200万円。これって妥当なんだろうか」

その答えは、横の見積もりを取らないと分からない。 一括見積もりで複数業者の金額を比較する

ビルグレード別・30坪の費用感

同じ30坪でも、ビルのグレードでここまで変わる。具体例で見てみる。

ケースA:築20年・グレードC・郊外駅前ビル 内装はシンプル、深夜作業の制約も少ない。見積もり総額は120万円前後。坪単価4万円。減額交渉後は90万円台に着地することが多い。

ケースB:築10年・グレードB・都心オフィスビル 共用部の養生指定あり、深夜作業必須。見積もり総額は220万円前後。坪単価約7.3万円。経年劣化分の精査と項目交渉で180万円程度まで削れることがある。

ケースC:築5年・グレードA・大規模再開発ビル ビル管理が厳格、指定業者リスト固定、深夜作業&休日作業のみ。見積もり総額は400万円超え。坪単価13万円。ここは減額余地が比較的小さく、削れて10〜15%程度のことも多い。

3つ並べると、ハイグレードビルほど絶対額は大きいが減額余地は小さく、グレードB〜Cのほうが交渉で効く幅が大きい——という傾向が見えてくる。自社のビルがどのゾーンにあるかをまず把握することが、戦略立案の出発点になる。

退去スケジュール——いつから動けば間に合うか

30坪規模で原状回復をスムーズに進めるなら、退去日の3〜4ヶ月前から動き始めたい。

タイミングやること
退去4ヶ月前契約書の原状回復特約を確認、貸主に退去通告
退去3ヶ月前指定業者から初回見積もり取得、第三者業者にも相見積もり依頼
退去2ヶ月前見積もり精査、減額交渉、工事範囲の確定
退去1ヶ月前工事業者決定、工程確定、引っ越し計画と連動
退去日前後工事実施(30坪なら2〜3週間)、立会い、引き渡し

ここで一番やってはいけないのが「指定業者の見積もりを受け取ってからバタバタ第三者業者を探す」パターン。時間がないと交渉力が落ちる。並行して動かすのが鉄則だ。

業者選びで気をつけたいこと

30坪規模だと、「どこに相見積もりを依頼すればいいのか」という問題が出てくる。大手の原状回復専門業者から、地域密着の内装業者まで、選択肢は意外と多い。

判断軸はシンプル。

  • オフィス案件の実績数:住宅や店舗ばかりやっている業者は、オフィスのB工事(貸主指定の躯体・共用部に関わる工事)の勝手が分かっていないことがある
  • 見積書の透明性:「一式」ばかりの見積書は要注意。項目ごとに数量と単価が出てくる業者を選ぶ
  • 減額交渉支援の有無:単に施工するだけでなく、貸主・指定業者との交渉まで支援してくれる業者は心強い
  • 報酬体系:完全成果報酬制(減額成功額の◯%)の専門業者もある。施工は別、交渉だけ依頼するという使い方もできる

業者比較の具体的な視点は別記事でも整理しているが、まずは2〜3社から見積もりを取って、対応の質と金額を横並びで比較するのが手っ取り早い。

30坪の原状回復で失敗しないための判断軸

最後に、30坪の原状回復で押さえておきたい論点を整理しておく。

  • 坪単価は3〜15万円の幅があり、ビルグレードで大きく変動する
  • 初回見積もりは相場の1.5〜2倍で出てくることが多く、精査の価値がある
  • 経年劣化分の借主負担は契約書の特約次第。揉めそうなら弁護士相談も視野に
  • 減額余地は15〜30%、グレードB〜Cのビルほど効きやすい
  • 動き出しは退去日の3〜4ヶ月前。指定業者見積もりと第三者見積もりは並行で
  • 30坪は規模が小さいぶん、明細精査がやりやすい。交渉の打ち手は大企業案件と変わらない

「請求された金額をそのまま払う」のと「相場感を持って交渉する」のとで、最終的な負担額は数十万円単位で変わってくる。30坪だからと諦める必要はまったくない。

次のアクション

自社の物件が相場のどのゾーンに入るのか、まずは複数業者から見積もりを取って横並びで比較するのが確実だ。指定業者の見積もりが手元にある人も、これから動き出す人も、一度第三者の数字を見ておくと判断軸が明確になる。

原状回復ナビの一括見積もりサービスで、30坪規模に対応できる業者にまとめて相談する

契約書の特約条項で不安が残る場合や、減額交渉が法的論点に踏み込みそうな場合は、不動産に強い弁護士への相談も並行して検討してほしい。

よくあるご質問(FAQ)

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